こんにちは、はなまるパソコン教室です。
先日、教室で使用している試験用のWindows 11パソコン5台をアップデートしたところ、3台で「タスクバーが表示されない」トラブルが発生しました。
🛠 まずは簡単な対処で復旧できたケース
不具合が出た3台のうち、2台は「エクスプローラーの再起動」でタスクバーが復活しました。
🔍 しかし、残る1台は何をやってもダメ…
しかし、残る1台は何を試しても改善せず、非常に厄介な状態でした。
以下のような症状が見られました
- タスクバーもスタートボタンも完全に消えている
- Windowsキーを押しても反応がない
- スタートボタンが押せないのでアプリ一覧が表示できない
- エクスプローラーの再起動でも変化なし
- 新しいユーザーアカウントを作成しても状況は同じ
- コマンド修復(DISM や SFC)も効果がなかった
ここまでくると、Windowsのシェル(画面表示の中心的な仕組み)が破損している可能性が高く、かなり深刻な状態といえます。
🎯 最終的に直った方法:Windows 11の上書きインストール(インプレースアップグレード)
いくつもの方法を試した結果、Windows 11の上書きインストールでタスクバーが復旧しました。
この方法のメリット
-
✅ データ・アプリ・設定を残したままWindowsだけを修復できる
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✅ 初期化より短時間・低リスク
-
✅ 不具合の根本的な修復に有効
🧭 上書きインストールの手順
📌 タスクバーがないとブラウザも開けない?→ タスクマネージャーから起動できます!
今回は、タスクバーもスタートメニューも表示されなかったため、タスクマネージャーからブラウザを直接起動して作業しました。
ブラウザのショートカットがある場合
→ ダブルクリックで起動し、下のダウンロード手順へ進みます。
ブラウザのアイコンもない場合
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Ctrl + Shift + Esc
を押してタスクマネージャーを起動 -
上部の「プロセス」タブを開き、右上の「新しいタスクの実行」をクリック
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msedge
またはchrome
と入力 → 「OK」
(起動しない場合はexplorer
と入力してエクスプローラーからブラウザを探します)
📥 Microsoft公式からWindows 11のISOファイルをダウンロード
-
以下の公式ページにアクセス:
👉 https://www.microsoft.com/ja-jp/software-download/windows11 -
「Windows 11 ディスクイメージ(ISO)」の項目を選択
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「Windows 11 (multi-edition ISO)」→「日本語」→ ダウンロード
🔧 インストールを実行
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ダウンロードしたISOファイルをダブルクリックしてマウント(仮想DVDとして表示されます)
-
開いた中の
setup.exe
をダブルクリックして起動 -
インストール準備画面で「個人用ファイルとアプリを引き継ぐ」を選択したまま進めます
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数回の再起動を経て、タスクバーが無事に復活しました!
🔄 上書きインストールが難しい/効かなかったときは?
以下の方法も、状況に応じて試す価値があります。
🧪 タスクバー消失に試せる5つの方法
① エクスプローラーの再起動(即効性◎)
一番簡単で効果が高い方法です。今回も2台はこれで直りました。
手順:
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Ctrl + Shift + Esc
→ タスクマネージャーを起動 -
「プロセス」タブ →「 エクスプローラー」を右クリック
-
「再起動」を選択
② システム修復コマンド(DISM / SFC)
Windowsのファイル破損が原因の場合、この方法で回復することがあります。
手順:
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タスクマネージャー →「新しいタスクの実行」→
cmd
-
「このタスクを管理者権限で作成する」にチェック → OK
入力するコマンド:
DISMコマンド(システムイメージの修復)
まずは、Windowsのシステムイメージを修復するために、以下のコマンドを入力して実行します。
DISM.exe /Online /Cleanup-image /Restorehealth
この処理には5〜10分ほどかかります。
途中で止まっているように見えても、しばらくお待ちください。
※「復元操作は正常に完了しました。」と表示されれば成功です。
SFCコマンド(システムファイルの修復)
次に、個々のシステムファイルの整合性をチェックして修復します。
以下のコマンドを同じく入力して実行してください。
sfc /scannow
こちらも数分かかりますが、自動的にスキャンと修復が行われます。
完了後、「整合性違反が見つかり、修復されました。」と表示されればOKです。
🔁 コマンドが完了したらパソコンを再起動
2つのコマンドの実行が終わったら、パソコンを一度再起動して、タスクバーが復活しているか確認してください。
📌 注意点
-
インターネット接続が必要です(特にDISM)
-
処理中に画面が止まっているように見えても、強制終了せず待ちましょう
-
万一エラーが出た場合は、メッセージ内容を確認してください
③ レジストリ修正:StuckRects3 の削除
タスクバーの表示位置などを制御する情報が壊れている場合に有効です。
⚠ レジストリ操作についてのご注意
レジストリエディターを使用した操作は、Windowsの重要な設定を直接変更する作業です。
操作を誤ると、システムの動作に不具合が生じる可能性があります。
本記事の手順は情報提供を目的としており、レジストリの編集は自己責任でお願いいたします。
万が一、レジストリ変更により不具合が発生しても、当教室では責任を負いかねますのでご了承ください。
手順:
-
タスクマネージャー →「新しいタスクの実行」→
regedit
-
以下のレジストリキーを開きます
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\StuckRects3 -
StuckRects3
を右クリック →「削除」 -
エクスプローラーを再起動、またはパソコンを再起動
※この操作でタスクバーの位置設定などが初期化されます。
④ 新しいユーザーアカウントを作成する
現在のアカウントのプロファイルが壊れている場合、新しいアカウントで直る可能性があります。
手順:
-
タスクマネージャー →「新しいタスクの実行」→
cmd
-
「管理者権限で作成」にチェック → OK
入力するコマンドと意味:
→ 「testuser」という名前で、パスワード「P@ssword123」のユーザーを作成
→ testuser に管理者権限を付与
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サインアウトして testuser でログイン
-
タスクバーが表示されれば、旧アカウントに問題があると判断できます
⑤ セーフモードで起動 → 通常モードに戻す
セーフモードを一度通すことで、設定が再構成されて直ることがあります。
手順:
-
タスクマネージャー →
cmd
(管理者) →msconfig
と入力 -
「ブート」タブ →「セーフブート」にチェック → 再起動
-
セーフモードで起動後、再度
msconfig
を開いてチェックを外し、通常モードへ戻す
✅ まとめ:初期化の前に、ここまで試してみよう
Windows 11で突然タスクバーが消えてしまっても、初期化せずに復旧できる方法がたくさんあります。
特に「上書きインストール(インプレースアップグレード)」は、データを保持しつつ根本的に修復できる方法として非常におすすめです。
🔚 どうしても直らない場合は、初期化をご検討ください
ここまでの対処法をすべて試しても改善しない場合は、Windows のシステムが深刻に破損している可能性があります。 その際は、やむを得ず「パソコンの初期化(リセット)」を実施する必要があるかもしれません。
※ 初期化の前には、必ずデータのバックアップを取ってください。
🧑💻 はなまるパソコン教室より
この記事は、実際に教室で発生したトラブルをもとにまとめました。
同じような症状で困っている方の参考になれば幸いです。
※この記事は情報提供を目的としており、個別サポートの対応は行っておりません。
千葉県松戸市・鎌ヶ谷市・市川市周辺で、パソコンやスマホを基礎から学びたい方は、ぜひ「はなまるパソコン教室」へご相談ください。